ある国の研究所が日本の淡水漁獲量の減少は外来魚の侵入が原因であるとの研究成果を学術雑誌に掲載していました。お上に逆らうつもりはございませんが、彼らの統計及び多変量解析について少々疑問が残ります。例えばご自身でも言われておりますが乱獲の影響を変数に考慮していませんし、2003年前後に発生した全国的なコイヘルペスウイルスによるコイ科の感染及び大量死、BOD,COD変化、気候変動、台風の影響の有無、水位変動、pHの変化等のファクターが無いと思います。また過去10年間の変化量だけで外来魚問題を語るとは如何なものかと思います。少なくとも外来魚の確認された時期からの変化量などの時系列検証や護岸されてからの時系列検証が必要ではないでしょうか?。
ビッグデータが存在する近年のデータしか無いとは思いますが非常に誘導的な結論の導き方だと思います。まぁ日本のマスコミに数学的・科学的見地に立って報道する者は皆無なので仕方ないと思いますが、マスコミはもっとここいらを突っ込んで頂きたいです。今のマスコミはお上のご意向の垂れ流しが多いです。全く情けない。ついでに政治屋さんも。
僕はつい最近まである工場の品質管理に携わってきましたが、統計データから原因を推測する場合にはデータ項目は多いほうが多いほど良いです。昔はコンピューターが発達していなくて項目は限定されていましたが、現在のコンピューターは優秀ですから解析に時間がかかりません。どんな統計ソフトを使用されたかわからませんが、もう少しましな多変量解析されてみては如何でしょうか?。また蛇足ながら「アメリカザリガニ」と「ウシガエル」等の外来種,カワウ・ヌートリア等の鳥類・哺乳類の影響,「漁協の放流量」も考慮下さい。予算が無いとの言い訳は聞けませんので悪しからず。
今回はこのくらいの疑問提示しかできませんが、もう少し勉強すればもっと提示できると思いますので、まずは文献を読みたいと思います。